楽しい目黒平和通り商店街

確か2000年になる前から通い始めた目黒平和通り商店街。その中心には市場のような二葉フードセンターがありました。ところが、2021年2月末に中の大きな八百屋さん二葉屋さんが閉店します。とても残念ですが仕方がありません。2015年に書いた記事や、2011年の大震災の1週間前の画像と共に記録に残しておきたい。

この記事の目次

中心的な存在だった二葉フードセンターの二葉屋が閉店した

今日(2021年2月27日)、目黒平和通り商店街の中心的な存在だった二葉フードセンターの大きな八百屋さん二葉屋が閉店する。何でも始まりがあれば終わりがあるものだが、昨年の秋にこの貼り紙を見た時は少なからぬショックを受けた。

何しろ20年以上毎週土曜日に通っていたのだ。ここに土曜日にリュックを背負って自転車で乗りつけ買い物に来ると、疲れが抜けてリフレッシュできたものだ。

お昼頃に行ってみたら、ものすごく混雑し過ぎていてお店に入って行けない状態だった。外からスマホで写真を撮っている人も多かった。

私は17ミリから始まる広角レンズを付けた一眼レフで外から撮って、店内はコンデジで撮ることにしていた。外から何枚か撮って、表に回り、二葉ビルを撮っていたら、買い物に来ていたおばさんに「記念に撮っているんですか?」と声をかけられ、少しお話ししていた。

昔、2003年頃だったか、千葉の農家さんが土曜日になると野菜を積んだトラックで乗りつけ、競うように売っていたことなど、懐かしい話をよくご存知だった。

このビルの上はアパートになっていて、二葉フードセンターで働いている人も住んでいるのだそうだ。一時、私も住みたいなと思っていた。

それにしてもいつも思うことだが、女性の情報収集力はすごい。おじさん同士ではこうはいかない。このビルには、パン屋さん、惣菜屋さん、魚屋さんが2軒と、韓国食品店と花屋さんが入っている。惣菜屋さんは廃業するが、それ以外のお店は9月まで営業して別な所に移転するとか、新しい八百屋さんが近くにできると教えてくれた。こういうところはおじさんは見習わなければいけない。

この平和通り商店街は案外長いのだが、この周辺が中心部で、昔のようにひどく混雑しなくなったものの、ここだけ活気がある。二葉屋さんが閉店すると平和通り商店街全体がさびれてしまうのではないかと気になっていた。しかし、お風呂屋さんの前に八百屋さんが新しくできるらしいので、少し安心した。

一昨日、閉店間際に買い物に来ていたので、今日はあまり買うものがないのと、何しろ昔みたいにすれ違うのがむずかしいくらい混雑していたので、いくらも買わなかったが、お店の人と少し挨拶ができてよかった。一昨日の夕方は、ものがなくてガラガラだった。

今日買い物に来た人は、みんな同じ気持ちだったみたいだ。レジで必ずことばをかけていた。働いている人もみんな長い。昔から話をしなくても知っている人ばかりだ。これが大手スーパーだったらこんなことはないかもしれないね。私も震災の頃、会社の新規事業でお店の責任者をしていたので、とてもよくわかる。長く働いてくれる人はとっても大切だ。

震災までこの界隈は土曜日にはものすごく混雑していた。ところが、その後土曜日でも人が少なくなった。なぜなんだろうと思っていて、今でもその理由が正直よくわからない。

スマホの普及で宅配便で配達してもらうのが当たり前になったからのか、それともここに通う人が高齢化したからなのか?

何かが変わったのは間違いないのだ。昔、3軒あった肉屋さんがマルエさんだけになり、やはり昔3軒あった魚屋さんが、一時1軒になり、その後3軒に復活したが、お店の規模は縮小した。でも、お店に行くのは、物を買いに行くだけでなくてお店に行って何かやりとりをすることに意味があるんだね。

いつも二葉さんに寄ってから隣の乾物屋さんに寄って、スパイスや仙台味噌、ごま油や洗いごまを買ったりしていたものだが、今日閉店したことを知った。とても残念だ。

2015年に書いた最初の記事

私は生鮮品の買い物が好きだ。八百屋さんに行くと心が躍る。しかし、目黒区は物価が高い印象がある。実際、東横線沿線で買い物をすると高い。

昔、祐天寺や学芸大学あたりでは、商店街に活気があり八百屋さんや魚屋さんが何軒もあったが、みんな廃業してしまった。後にできるのはドラッグストアとチェーン店の居酒屋だ。

もっとも最近はチェーン店の居酒屋はあまり人気がないので、ドラッグストアかコンビニができるようになった。

目黒郵便局から武蔵小山に向かう道、26号線通りの武蔵小山駅に近いところに目黒平和通り商店街がある。地図は目黒本町5丁目の信号が目印にすればよいと思う。小さな商店街なのだがとても活気がある。銭湯月光泉も営業中だ。

この商店街の中心は八百屋の二葉さんだ。正確には二葉フードセンターというそうだ。 二葉さんには近所の飲食店も仕入れに来る。営業前は大量仕入れ業者が来ているそうだ。土曜日は大変な混みようで6ヶ所あるレジには長い行列ができる。飲食店の料理人の格好をした人も仕入れに来る。

平日でも17時を過ぎると、葉ものとキャベツなどは売り切れになることが多い。土曜日ならよほど天気の悪い日でないと、ものが残っていないので注意だ。玉ねぎやジャガイモはたくさん仕入れているので売り切れになることはない。

その二葉さんの建物の中には、パン屋のブランさん、肉屋さん、魚屋さん、韓国食材のお店、惣菜屋さん、もう一軒、魚屋さん、花屋さんが入っている。

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昔はもっとお店があったが、八百屋さんが2軒、魚屋さんが3軒、惣菜屋さんが3軒、パン屋さんが2軒、豆腐屋さん、そのほかにお菓子屋さんなど、食料品関係が充実している。狭いところで競争しているから鮮度がよく品質がいい。

私は、マルエ精肉店さんでいつも肉を買っている。マルエさんの肉を食べるようになるとスーパーで肉を買う気が全く起きなくなる。そして値段も安い。ただし、最近は豚肉の値上がりが激しい。

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二葉さんが入っている建物の上は昭和の雰囲気があるアパートなのだが、ここに住むと楽しそうだと思う。

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魚柄仁之助さんの世渡りの技術 年間生活費50万円は可能だ!という本に目黒平和通り商店街が登場する。

中で書かれていたのだが、この近所に大手スーパーが出店を検討してもあきらめてしまうのだとか。とてもよく分かる。スーパーが提供する空気とは異質な空気がここにはあるのだ。

26号線通りには、イオン系列のまいばすけっとやコンビニ系列のスーパーができているが、この商店街の中にあるのはセブンイレブンだけだ。

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野菜は時期によって値段が変わる。キャベツが1個300円近いときがある。そんなときは段ボールの切れ端に書かれた値札に「高いです」とわざわざ注意書きが入る。書かなくてもよいのにわざわざ書くところに商売の姿勢を感じる。私はこういうのが好きだ。

飲食店が買いに来るからか、大葉やパセリなどは、まとまっているものを買うと驚くほど安い。香草(シャンツァイ)なんかもいつも置いてある。カレーを作るときにたまに買う。酎ハイに入れるライムもレモンもいつも安い。

スーパーで作り笑顔で「ありがとうございました」といわれながらお釣りを「ポイッ」と渡されるより、ここのおばちゃんにちょっと野菜について聞きながら金を払う方がずっと気分がいい。命令されてやる仕事は不幸である。自分で商売をやっている人は性根がすわっていて仕事に真摯なのだ。タイミングがよいときは、レジで安くなったものをすすめてくれる。

お客さんも働いている人も割と年齢層が高い商店街だが、ずっと続いてくれるといいな。

いとうやさんが閉店

ところが、この記事を書いた後、7月31日に二葉さんの建物の中に入っていた魚屋さん、いとうやさんが閉店してしまった。大きな面積を占めていたから、急にがらんとしてしまって、大丈夫かなと思っていた。

私がこの商店街に買い物に来るようになって20年くらいになる。昔と比べると、お店の数は少しずつ減っている。お店があったところにマンションが建ったり、飲食店が少し増えたような気がする。

この商店街がさびれていくと20年来のファンとしてはとても困る。

しかし、無事、10月から若い人たちが魚屋さんを引き継いで営業しているのでよかった。若い人の元気な声が響くといいな。

魚屋さんの隣には惣菜屋さんがある。ここの手作りコロッケとメンチカツはおいしい。それと、一時マカロニサラダにはまって(結構人気がある)、マカロニサラダ争奪戦に参加していた。土曜日の夕方前に行ってもたいてい売り切れで、もっと早い時間に行かないと買えない。

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ブランさんのパンは人気がある。土曜日に行くと混んでいるので平日の夜に買いに行く。ピザのような調理パンはなかなか食べ応えがあるし、20年前からずっとある黒蒸しパンや、最近?知ったバナナケーキもおいしい。もちろん食パンがおいしいのはいうまでもない。

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以前は、シナモンアップルをよく買っていたが、最近は、メープルブレッドか、オレンジブレッドがあるときによく買う。

商店街で買い物をすると、ほとんどパックされていないから新鮮かそうでないかを自分で吟味できる。新鮮なものを買って来るせいなのか、スーパーで買い物をするより、目黒平和通り商店街で買い物をした方が気分がずっといい。

ところで、あまり知られていないかもしれないが、二葉さんの隣には乾物屋の卸をやっている栗原商店さんがある。入りにくい雰囲気があるかもしれないが、そんなことはない。寄ると楽しめる。

100g単位の袋入りスパイスを始め、スーパーにはない大きな袋入りの乾燥シイタケやかつおぶし、お酢、醤油、ゼラチン、押麦などいろいろなものが買える。

最寄りの駅は、武蔵小山駅になるだろう。武蔵小山もアーケードがある大きな商店街がある駅で有名だ。

2011年大震災の1週間前の画像が出てきた

いつもポケデジを持ち歩いているので、PCに保存していた画像を整理していたら、2011年3月5日の画像が出て来た。大震災の前の週の土曜日の画像だ。大震災は翌週の金曜日のことだった。次の週末から日本の空気がすっかり変わってしまったので、記録として残しておきたい。

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土曜日だからとても混雑している。私もこの年は仕事がとても忙しくて、土曜日は休みにできたけど、日曜日は出勤して仕事をしていた。疲れがたまっていても、平和通り商店街に買い物に行くと元気になった。

こうやって昔の画像を見ると思い出すけど、トロ箱がこんなに積んであったんだね。

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魚屋さんのいとう屋さんの前には、肉屋さんがあった頃だ。また、こんな風に混雑して、歩くのが大変になるといいね。週末は本当に人が多かった。

リーマンショックは、2008年のことで飲食店はしばらく大打撃を受けていたけど、まだまだ世の中は活力があったんだなと、この画を見ると思う。

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この頃は、二葉さんのこの場所にはいつも山盛りのグレープフルーツが並んでいたなあと思い出す。私もよく一盛り500円のグレープフルーツを買っていた。パックに入ったジュースを買うより、ずっとおいしくてよかった。当たり前だけど。

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いつも3月がどんな感じだったのか思い出せないけど、2011年は寒かったんだね。みんなダウンを着ている。画面左に2011年3月のカレンダーがある。

その頃のことを思い出すと、いろいろな感情が湧き上がってくる。

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これは毎週魚を買いに行っていた、いとうやさんで撮らせてもらった画です。こうやって昔の活気がある画像を見ると、何か自分ができることはないかと思うようになるなあ。

商店街は、何しろ元気のもとだ。

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地図で探すなら、目黒本町5丁目が目印になる。

すぐ近くにとても広くて緑豊かな林試の森公園があり、その先は目黒不動尊。方向は違うが学芸大学駅まで歩いて2キロくらい。自転車なら目黒通りを渡るだけですぐに行ける。学大で飲んでも武蔵小山で飲んでも、このあたりに住んだら、余裕で歩いて帰って来られる距離だ。

新鮮な生鮮品をリーズナブルな値段で買って、毎日の暮らしを大事にしたい人にこの界隈はとても魅力的だと思う。

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