所用があり、30年ぶりに柴又に行った。もちろん帝釈天に寄る。帝釈天は、正式には題経寺という。
30年前は、帝釈天のすぐ近くにお客さんができたので訪ねて行ったのだが、記憶では乗り換えが多くて面倒くさかったような気がしていた。
実際、勤め先のある高田馬場から日暮里で乗り換え、成田行きの急行に乗って京成高砂まで行き、そこから京成金町線に乗り換えて次の駅だった。小一時間かかる。京成金町線というのは、京成高砂→柴又→京成金町を結ぶ全長2.5キロの短い線だ。
昨年、NHKBSの新日本風土記「葛飾 柴又 水の旅」を見ていたので行くのを楽しみにしていた。水が豊富な地域で、帝釈天の境内には御神水があるそうだ。この番組はいつも録画して見ている。このあたりは小松菜栽培でも有名な地域だ。
柴又帝釈天は、寅さんの映画で有名なのだが、私は一本しか見たことがない。高校生の頃、担任教師の趣味で浅丘ルリ子がマドンナだった回を見ただけだ。ホームには映画の名場面の写真がいくつも飾られていた。

「とらや」って書いているから有名なお店なんだろう。「だんご」が変体仮名で書いてあるんだね。

駅を出てふり返る。「柴」の字が切れているのは、入れて撮ろうとすると逆光でうまく撮れなくなるから。駅を出たらすぐにお酒を出す飲食店が待ち構えている。ただ、お昼前なのに開店している店が少ない。人もまばらだ。

改札を出ると、寅さんとさくらの像があった。正面のコンビニはオリジナルカラーを消してお寺仕様?になっていた。こういうのは伊勢神宮とか善光寺でも見たことがある。

この先に参道への入り口がある。なんだかワクワクする。

このあたりはお店がない。

帝釈天までの参道は、地図を見ると200mくらいだ。草団子と川魚料理屋と漬物屋が並んでいる。草団子は、すぐ近くにある江戸川でよもぎがたくさん生えていたんだろうなと思う。

川魚は鯉とうなぎが出てくるらしい。

うなぎは高いに決まっているが、鯉はどのくらいするのか?ちょっと調べてみた。
鯉のあらい(刺身)は1200円くらいで食べられるそうだ。
参道には食べ物屋さんがあるのだが、平日(木曜日)のせいなのか、休みが多かった。それで駅まで戻ってなんてことのないラーメンを食べた。(ちょっと後悔した)
帝釈天は日蓮宗のお寺だった。昔の記憶ではとても大きなお寺だったように思っていたが、池上本門寺の方がずっと大きい。記憶とはそういうものなのかもしれない。南無妙法蓮華経と書かれている。

参道は少し曲がっていて、先が見通せないようになっている。こういうのは参道を長く見せるための演出なんだろうな。

とらやは、逆光でうまく撮れなかった。

ここは草だんごだけでなく、食堂も営業している。あとでわかったが、なかなか良心的なお店だ。駅前でラーメンを食べるならこっちの方がいい。

山門は、神田明神くらいの大きさだった。

帝釈天には充実したサイトがある。

山門をくぐった先が本堂かと思ったが、こちらは帝釈堂というのだ。靴を脱いで上がれるようになっていて、中では御朱印をいただいたり、お守りやお札をいただけるようになっていた。

さて、帝釈天の境内には御神水があるのだ。これは「帝釈天で産湯をつかい」の水だ。新日本風土記でも取り上げられていた。私は若い頃四国八十八箇所を巡ったことがあり、霊水とか神水のようなものは全部飲んでいるので飲むことに抵抗はない。

ただ、水の勢いは大したことがなく、「飲まないでください」と書かれていた。もちろん私は飲む。しかし、おいしくなかった。硫黄くさい水だった。
東京には国分寺崖線という「がけ」があり、都内には意外と湧水がある。目黒区なら中目黒八幡神社や目黒不動尊でも湧水がある。飲んでよかったり飲まないでくださいと書かれていたりするが、とりあえず飲む。普通の水だ。しかし、帝釈天の水は、はっきり、おいしくなかった。地下水が豊富な地域なのは周辺の川から浸み出してくるからなのかもしれない。飲まないでくださいは、正解である。
帝釈堂の隣にあったこちらが本堂である。

帰り道、とらやに寄って、草だんごセット(700円)を食べた。あんこがとてもおいしい。店内奥右に階段があるのだが、そこが(いつも)映画に使われていたそうだ。

隣で大もりを食べていた男性が、「オレは50だけど寅さんの映画なんか見たことないよ」と目の前の女性に語っていた。寅さんこと渥美清さんは平成8年(1996)にお亡くなりになっていたんだね。私は今年65歳。彼は15歳下だから、当時20歳くらい。確かに寅さんの映画を見る年齢ではないな。
男はつらいよの第一作は昭和44年(1969)公開だそうだ。

それ以来、柴又は寅さんの町なんだ。

